人の成長が会社の成長。老舗ゴムメーカー五代目の覚悟

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会社名株式会社鈴木ラテックス
代表者鈴木 雄祐(代表取締役社長)
事業内容工業用指サック・ヨーヨー風船等の製造販売。日本・ベトナム・マレーシアの3カ国で事業展開
設立1953年(創業1921年)
従業員数約175名(国内外合計)
所在地千葉県佐倉市石川591-10
URL株式会社鈴木ラテックス

株式会社鈴木ラテックスは、1921年創業のゴム製品メーカーである。五代目として2025年3月に代表取締役社長へ就任した鈴木雄祐氏は、「人の成長が会社の成長」 という信念のもと、人材育成と組織づくりに力を注いでいる。創業家を継ぐ覚悟、採用や育成へのこだわり、そして目指す組織の姿について話を伺った。

目次

創業105年のゴムメーカーを継いだ五代目の決意

鈴木ラテックスは1921年に医薬部外品の製造販売で創業し、その後指サックやヨーヨー風船の製造へと事業を拡大してきた。五代目となる鈴木氏は、高校3年生の時点で家業を継ぐ決意を固めている。

のぞクマくん
創業から100年以上続く会社の五代目。いつ頃から継ごうと決めていたんですか?
鈴木さん
決めたのは高校3年生の受験の時ですね。小さい頃から弊社ヨーヨーの工場に遊びに行かせてもらっていて、すごく面白そうだなと。ものづくり自体が好きなので、自分たちで作ったものを世に出していきたいという気持ちがありました
のぞクマくん
高校生でそこまで明確に決められていたのがすごいですね
鈴木さん
今の会社だったら、代表になれれば自分のやりたいものを実現できる。それが一番のポイントになります

大学卒業後はゴルフボールの研究開発に携わり、ゴムに関わる経験を積んだ。2020年に鈴木ラテックスへ入社したが、そのタイミングはコロナ禍の始まりと重なっていた。

のぞクマくん
入社直後に大きな試練があったと聞きました
鈴木さん
コロナが始まり夏祭りやイベントが中止となったことで、ヨーヨー風船の売上がほぼ0になってしまう期間が2年ほどありました。工場の完全停止やコミュニケーションが中々とることができず、会社全体の雰囲気が最も悪くなった時期を入社と同時に見ることになりました

現在も国際情勢の変化による原材料供給の不安定化に直面しており、石油由来の原材料を扱う同社にとって、調達リスクへの対応は経営の最前線にある課題 だ。

採用で一番大切にしているのは「人柄」

鈴木ラテックスの採用で重視しているのは、スキルよりも人柄である。鈴木氏は、チームとして成果を出せる人材こそが組織に必要だと考えている。

のぞクマくん
採用で一番大切にしている基準は何ですか?
鈴木さん
人柄を大切にしていきたいと思っています。たとえ能力があっても、協調性や協力ができなければ、一人でできる仕事はたかが知れています
鈴木さん
全体のチームとして動ける方が、もっと大きな仕事をしていける。その際に必要になってくるのが人柄だと考えています

面接の場面では、成果の伝え方に注目しているという。

のぞクマくん
面接で「この人いいな」と感じる瞬間はどんな時ですか?
鈴木さん
自分が全てをやったというよりも、他の人を立てられるかどうかをよく見ていますね。周りとの関係性があった上での成果だと言える方を重視しています
のぞクマくん
なるほど。チームの中での振る舞いを見ているんですね
鈴木さん
あとは他責志向よりも自責思考の方が高評価です。失敗を誰かのせいにすると成長意欲がなくなってしまう。自分の失敗に対して次どう改善するかを重視しています

一方で、過去には採用の失敗から学んだ経験もある。能力の高い人材を採用したものの、福利厚生や上司との意思疎通の仕組みが整っておらず、退職に至ったケースがあった。

鈴木さん
優秀な方を入れるのであれば、それなりの下地を会社としても作っておかなければいけない。それを学びました

この経験が、現在の**「受け入れ体制を整えてから採用する」** という方針につながっている。

「失敗してもいい。でも隠すな」が育成の原点

鈴木氏が育成で譲れないこだわりは、失敗への向き合い方 にある。失敗そのものを責めるのではなく、その後の改善行動を重視する姿勢を組織に根づかせようとしている。

のぞクマくん
育成で「これだけは譲れない」というこだわりはありますか?
鈴木さん
小さなことでも新しいことに挑戦すれば失敗は必ず起きるものです。一番大切なのは失敗したことに対してどうかではなくて、失敗した後どうするか。そこの改善が一番重要だと考えています
鈴木さん
だから私は常に言い続けています。失敗してもいい。でも失敗したことは隠すな、と
のぞクマくん
それ、多くの経営者が大切にしたいと思いつつも、なかなか社内に浸透させるのが難しいポイントですよね

失敗の報告を受けた後、鈴木氏は必ず3つの質問を投げかける。

鈴木さん
短期的にどう改善するか、長期的にどう改善するか、同じ失敗をしないようにするにはどうするか。この三つは必ず聞くようにしています
鈴木さん
まだ本人たちの改善案や考えが甘いと感じれば、一緒に考え、少しずつ文化として定着するように心掛けています

日本本社は約25名の少人数体制であるため、社長との距離が近い。鈴木氏は今後、自ら1on1ミーティングを実施し、社員とのコミュニケーションをより密にしていく方針だ。

“歯車ではなく主役”になれる組織を目指して

鈴木氏が描く組織の未来像は、一人一人が主体的に動ける会社 である。薄膜ゴム製品で新しい商品を生み出し続けるというビジョンの土台には、「人」への強い信念がある。

のぞクマくん
3年後、どんな組織にしていきたいですか?
鈴木さん
人は石垣、人は城というように、人が必ず会社というものを作っている。会社が大きくなるには人の能力の向上が必要です。人事の部分にどんどん力を入れて、人が会社を作っていく。そういう形を目指しています

現在、同社の平均年齢は50代を超えており、中間層の40代が不在という課題を抱えている。今後は20〜30代の若手と中間層を半々の割合で採用していく計画だ。

のぞクマくん
もし魔法の杖があって、会社の何かを一瞬で解決できるとしたら、何を選びますか?
鈴木さん
私の右腕の人材がポンと湧き出てくる、ですね。右腕がいることでより会社を発展させ、従業員の生活をより豊かに出来ると考えているので
のぞクマくん
従業員の方々の生活まで見据えて右腕を求めているんですね。経営者の目線が会社の成長だけで終わっていないのが印象的です

最後に、求職者と同じ悩みを持つ経営者に向けたメッセージを伺った。

鈴木さん
社員は会社の歯車ではなくて、一人一人が主役です。言われたことばかりやって回されるのではなく、自分が主体になって回していける。そういう会社を目指しています
鈴木さん
経営の本質は、人が成長できる環境を作っていくことだと考えています

33歳という若さで創業105年の老舗を率いる鈴木氏。日本、ベトナム、マレーシアの3カ国を飛び回りながら、「人が会社を作る」という信念を一歩ずつ形にしている。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、鈴木氏の「失敗してもいい。でも隠すな」という言葉の力強さだ。五代目という重責を背負いながらも、社員と一緒に考え、一緒に成長していこうとする姿勢に、老舗企業の新しい風を感じた。

  1. 株式会社鈴木ラテックスは創業105年の歴史を持つゴム製品メーカーであり、指サックとヨーヨー風船の分野で国内トップクラスのシェアを誇る
  2. 鈴木雄祐氏は採用において人柄と協調性を最重視し、チームとして成果を出せる人材を求めている
  3. 育成では「失敗後の3つの質問」を軸に、失敗を隠さず改善につなげる文化を構築している
  4. 鈴木氏は「社員は歯車ではなく主役」と考え、一人一人が主体的に動ける組織づくりを推進している
  5. 鈴木氏は経営の本質を「人が成長できる環境を作ること」だと捉え、人事に注力する方針を明確にしている

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