現場ヒアリングなき開発は失敗する。元LINEヤフーエンジニアが起業した理由

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会社名株式会社Ascend Logic
代表者早乙女 琉真(代表取締役)
事業内容企業向けAIソリューションのオーダーメイド開発。音声AIエージェント・RAGシステム・AI-OCRなど、戦略立案から実装まで一気通貫で提供
設立2025年12月
従業員数約6名(業務委託含む)
所在地東京都青梅市師岡町1-125-14
URL株式会社Ascend Logic

株式会社Ascend Logicは、企業向けAIソリューションのオーダーメイド開発を手がけるスタートアップだ。代表の早乙女琉真氏は、LINEヤフー株式会社でのエンジニア経験をもとに2025年12月に創業。「現場のヒアリングなき開発は、現場に使われない」という原体験から、顧客と一緒に課題を掘り下げるスタイルを貫く。採用・育成・組織づくりの哲学まで、早乙女氏のリアルな言葉で語っていただいた。

目次

会議室ではなく、現場に答えがある

Ascend Logicの創業は、前職で目の当たりにした「使われないシステム」への問題意識から始まっている。

早乙女氏はLINEヤフー株式会社に新卒入社し、営業部門を支援するデータ基盤の設計・構築を担当していた。AIを活用して営業担当者が使いやすい環境を整える仕事だ。しかし現場では、ある問題が繰り返し起きていた。

のぞクマくん
前職ではどんな課題を感じていたんですか?

早乙女さん
要望が、営業から直接ではなく、経営層から来るのが大半みたいな形だったんですよね。なので、営業から直接用件を聞いているわけじゃないので、作りました、と言っても、営業の方々からすると「いやこれ別にいらなかったんだけど」みたいなことが起きたりするんですよね。

のぞクマくん
それは現場からすると、余計な負担になってしまうことも。

早乙女さん
ただ経営層からの指示で作って、コストもかけたんで、もう使ってくださいよ、という感じなので余計、営業の方が逼迫しちゃうとか、疲弊してしまうみたいな現場を何度か目の当たりにして。これじゃなくて、本来解決するというのは、会議室じゃなくて、やっぱ現場出て、実際にお客さんのヒアリングして、お客さんの作りたいものを一緒に作っていくみたいな。そこが重要なのかなと思って始めたのがきっかけです。

現在Ascend Logicが手がけるのは、社内ナレッジ検索用チャットボット、AI-OCRによる書類フォーマット変換、英会話学習アプリ、自治体向け電話AIエージェントなど多岐にわたる。特に音声AI周りの実績と、RAG(検索拡張生成)の構築・実装を強みとして持つ。「何を作るか」より「誰のために何を解決するか」を先に問う姿勢が、同社の開発スタイルの核心だ。

採用はマインドが9割、全員が前職の同志

Ascend Logicの採用基準は、スキルよりもマインドセットを優先している。現在のメンバー構成がそれを端的に示している。

のぞクマくん
採用で一番大切にしている基準を教えてください。

早乙女さん
もし、どなたか入っていただくとなっているとしたら、カルチャーというかマインドですかね。一緒のマインドでやっていきたいんで、そこかもしれないですね。

のぞクマくん
現在のメンバーはどんな経緯で集まったんですか?

早乙女さん
今のメンバーは、元々商社で営業マンをやっていた相方と、そのほかはLINEヤフー時代の先輩と同期です。6人中5人がLINEヤフーです。

のぞクマくん
信頼関係がすでにある人たちと始めているんですね。今後、一般募集を考えることはありますか?

早乙女さん
もし大きくなったタイミングとかで、そこは考えてますね。

採用フローはまだ固まっていないが、それは「知っている人としか一緒にやらない」という方針の裏返しでもある。信頼を起点にチームを組む——それが今のAscend Logicの採用哲学だ。

OJTとフィードバックで、ぶっつけ本番で育てる

育成において、Ascend Logicは整備された研修制度を持たない。その代わりに採用しているのが、即戦力を前提とした「ぶっつけ本番」スタイルだ。

のぞクマくん
新しく入るメンバーをどう育てていく考えですか?

早乙女さん
一緒にやっていくっていう感覚の方が近いかなと思うんですけど。相方みたいな人がいて、その人は営業畑なんでエンジニアリングみたいなのは全くの未経験なんですけど、ただ一緒に提案する上で必要な知識なので、もうひたすら資料作成とか提案とか仕切りとかを任せちゃって、もうぶっつけ本番でやってもらって覚えていくみたいな感じですね。

のぞクマくん
それって本人にとっても大変ですよね。フォローはどうしているんですか?

早乙女さん
ちょっとダメだったところは終わった後にフィードバックしあって、改善して軌道修正していくみたいな感じですね。研修制度とかあるわけじゃないので、OJT中心みたいな感じですかね。

「フィードバックしあう」という表現が印象的だ。上から教えるのではなく、互いに気づきを持ち寄るフラットな関係性が、少数精鋭チームの育成を支えている。コアタイムなし・フルリモート・副業OKという働き方も、メンバーの自律性を尊重した設計だ。

10数人の少数精鋭で、フィジカルAIの世界へ

早乙女氏は、組織を大きくすることよりも、信頼できるメンバーとの密度を重視する。

のぞクマくん
3年後、どんな組織にしていきたいですか?

早乙女さん
めちゃくちゃ人を増やしたいっていう感じではあまりなくて、基本的に少数精鋭で信頼できるメンバーで、一緒にやっていけるような方々でやっていきたいなとは思ってますね。そんな爆発的に増やすに、まあ多分10数人とかそのくらいの規模でやっていけたらいいのかなっていうですかね。

のぞクマくん
事業面ではどんなビジョンを描いていますか?

早乙女さん
フィジカルAIの領域にもともとやっていきたいっていうビジョンがあったので、3年後には少なくとも何か一つのまあ導入事例とか、フィジカルAIに関する導入事例ができてたらいいなとは思ってます。

フィジカルAIとは、ロボットや自律型デバイスなど、デジタル空間を超えて物理世界に作用するAIのことだ。ソフトウェア開発で実績を積みながら、その先の「身体を持つAI」を見据えている。受託開発はあくまで足場であり、早乙女氏の視線はすでにその先を向いている。

のぞクマくん
一緒に働くメンバーや、同じ悩みを持つ経営者の方々に一言いただけますか?

早乙女さん
一緒に働いてくれるメンバーに対する一言としては、まあもう真っ先にありがとうです。信じてくれてはいると思うので、そこへの感謝と、必ず良かったと思えるように見返りはします、という言葉と。経営者の方々へは、面白いことをやっていきたいですね。やっぱりお金も大事ですけど、なんか起業して自分でやっていくからにはある程度その楽しさみたいなところは忘れずにやっていきたいですよね、っていう。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、早乙女氏の「作る理由」への徹底したこだわりだ。技術を持つエンジニアが陥りがちな「作れるから作る」ではなく、「誰の何を解決するか」を起点に置く姿勢は、前職での原体験から来ている。創業間もないスタートアップでありながら、組織づくりの哲学がすでに明確なのも、その延長線上にあるように感じた。

  1. 株式会社Ascend Logicは、企業向けAIソリューションのオーダーメイド開発を手がけ、音声AI・RAG・AI-OCRを強みとしている。
  2. 早乙女氏は「現場ヒアリングなき開発は現場に使われない」という前職での原体験をもとに起業した。
  3. Ascend Logicの採用基準はスキルよりもマインドセットを重視しており、現メンバーは前職の信頼できる同期・先輩で構成されている。
  4. 育成はOJT中心のぶっつけ本番スタイルで、終了後の相互フィードバックで軌道修正する体制を取っている。
  5. 早乙女氏は10数人規模の少数精鋭を維持しながら、3年以内にフィジカルAI領域での導入事例創出を目指している。

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