「本物を届けたい」その一心が道をつくる。創業30年、自分らしく歩み続ける女性経営者の等身大の仕事論

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会社名株式会社常春藤
代表者藤代 千春(代表取締役)
事業内容アジア原産の生薬・国産すっぽんを使用したサプリメントの製造・卸売販売
設立1997年
従業員数4名
所在地東京都豊島区巣鴨3丁目39番3号
URL株式会社常春藤

株式会社常春藤の代表取締役・藤代社長は、アジアの食文化との出会いをきっかけに1997年に起業しました。
以来30年にわたり、「添加物を使わない、本物の素材だけを届ける」という信念を、日々の仕事の中で真っ直ぐに貫いています。
海外貿易特有の予期せぬ困難や、思いがけないトラブルなど、決して平坦ではない道のり。
それを「自分を強くしてくれた経験」とほほ笑む藤代社長の、しなやかで誠実な軌跡を追います。

目次

アジアの食文化との出会いが、すべての始まりだった

藤代社長が「本物の素材」に魅せられたのは、20代の頃でした。仕事でアジア各国を巡るなかで、日常に溶け込む「生薬(しょうやく)」の力強さに惹きつけられたといいます。

のぞクマくん
アジアの食べ物で、特に印象に残ったものはありましたか?

藤代さん
日本は加工食品が多いですが、アジアの国々では天然の食材をそのまま活かし、日常の食事の中に「生薬」が自然に溶け込んでいるんです。その素朴で力強い食のあり方に感動したのが最初ですね。

のぞクマくん
生薬が日常の食卓にあるって、日本ではなかなか想像できないですよね。

藤代さん
そうですよね。自分の体質改善に役立てたいという思いもあって、どんどん、はまっていきました(笑)

その後出会った「田七人参(でんしちにんじん)」という素晴らしい素材を「自分で広めたい」という純粋な想いが、起業の原動力となりました。

「まずはやってみる!」誠実な一歩が引き寄せた信頼

今でこそ株式会社となっていますが、起業当時は「有限会社の作り方」の本を買うところから始まりました。考え込むよりも、まずは自分の想いに従って動いてみる。そんな藤代社長らしいスタートでした。

のぞクマくん
起業は大きな決断だったと思うんですが、準備期間はどのくらいされたんですか?

藤代さん
準備期間は、ほとんどなかったんです。自分一人で「とりあえずやってみよう!」という勢いだけでしたね(笑)

地道に電話帳で調べた鍼灸院などへ足を運び、起業直後から約100社の取引先を獲得。
大手美容専門学校との取引が決まった際、選定の理由は「一番誠実で、一生懸命さが伝わったから」というものでした。
藤代社長の飾らないお人柄が、周囲の信頼を惹きつけたのです。

予期せぬ試練を「本物への転換点」に変えて

順風満帆に見えたビジネスに、思いがけない荒波が押し寄せます。それは、誠実に商品づくりを続けていた藤代社長にとって、あまりに突然の出来事でした。

のぞクマくん
海外との取引の中で、ご自身の努力では防ぎきれないような、大変な出来事があったと伺いました。

藤代さん
はい。お取引先の現地工場の製造工程で、不運にも不純物が混入してしまうという思いがけないトラブルが起きたんです。また、輸送中に荷物が「山賊」に遭って消えてしまうといった、日本では信じられないような困難もありました。

のぞクマくん
それは、藤代社長のような誠実な方にとって本当にショックな出来事だったのではないですか?

藤代さん
本当に(笑)でも、その経験があったからこそ、「確かな品質を自分の目が届く場所で守りたい」と、日本の良質な素材へ目を向けることができたんです。そうして出会ったのが、愛媛県宇和島産の高品質な「すっぽん」でした。

「添加物は使わない」——30年、一貫して守り抜く「食の質」

扱う素材が変わっても、藤代社長が30年間、絶対に譲らなかったこだわりがあります。

のぞクマくん
ずっと大切にしてきた、一番の信念は何でしょうか?

藤代さん
やっぱり「素材そのもの」を届けることです。自分の子供や孫にも自信を持って勧められる「本物」だけを作りたい。添加物で固めた錠剤ではなく、素材を壊さず活かすこと。ここだけは絶対に曲げられません。

現在の主力「すっぽんサプリ」は、摩擦熱で成分が損なわれないよう、石臼を使って丁寧におが粉状にしています。
桜のチップで燻製にすることで生臭みが消え、鰹節のような香ばしい味がするんです。
カプセルから出して味噌汁に溶かすなど、「食事」として楽しめるサプリという発想は、まさに彼女の原点である「薬膳」の知恵そのものです。

自分らしい道を、自分の強みで歩く

30年間、営業から事務まで一人で切り盛りしてきました。事務所にベビーベッドを置いて働いた時期もありましたが、「新しい出会いがいつもワクワクさせてくれた」と語ります。

のぞクマくん
挑戦を続ける方々へ、メッセージをお願いします!

藤代さん
若い頃は自分の強みが分からないものですが、長く続けていると、周りからの言葉で自分の持ち味が見えてきます。無理に誰かに合わせるのではなく、自分らしい道を作っていくことが大切。私も今後は、若い世代の方々にもっと「食の大切さ」を伝えていきたいですね。

編集部まとめ

「ホームページが10年前で止まっているの」と茶目っ気たっぷりに笑う藤代社長。
しかし、その柔和な笑顔の裏には、困難さえも「学び」として受け入れる、しなやかで強い心がありました。
今回の取材を通じ、大きな声で主張するのではなく、ただ「本物を届けたい」という軸を静かに守り続けてきた30年間の重みを感じました。
「手軽さ」が溢れる時代だからこそ、藤代社長が紡ぐ「一粒の真心」が、次世代の健やかな体と心を支えていく。そんな確信を持てるインタビューでした。

  1. 株式会社常春藤は、アジアの生薬文化をルーツに持つ「本物思考」のサプリメントメーカーで、添加物不使用・石臼製法にこだわった国産すっぽんサプリを製造・卸売している。
  2. 藤代氏は1997年の創業以来、営業を一人で担い、お取引先の工場での不純物混入や原価4倍の高騰など数々の試練を経て、輸入から国内生産へのビジネスモデル転換を成し遂げた。
  3. 「大手にはかなわないからこそ、本物の素材で勝負する」という信念は30年間一切ぶれておらず、錠剤を使わないカプセル製法と食事との融合を実現している。
  4. コロナ禍においても売り上げへの打撃はなく、卸売中心の流通モデルと国内生産体制の安定が業績を支えた。
  5. 藤代氏は今後、通販への進出と若い世代への薬膳文化の普及を視野に入れており、「自分の持ち味を生かして自分らしく」という姿勢で次のステージに向かっている。

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