年400回の交流会参加。「日本一」を狙った男の逆転ブランディング

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会社名合同会社NETSUI
代表者横川 祐介(代表)
事業内容経営コンサルティング、デットファイナンス支援、経営者コミュニティ・交流会運営
設立2024年6月
従業員数7名
所在地東京都葛飾区堀切4-58-17-505
URL合同会社NETSUI

合同会社NETSUIは、代表の横川祐介氏が信用金庫での13年間と上場企業での経営経験を経て2024年に立ち上げた経営コンサルティング会社です。
年間400回を超える交流会参加で独自のブランディングを築き、KPIを設けない経営スタイルで創業以来安定した経営を続けています。
同社の採用哲学と交流会戦略から、経営の本質を探ります。

目次

創業ストーリー — 信用金庫を辞め、支援する側から支援そのものを事業にする

横川氏は新卒で東京東信用金庫に入庫し、13年間にわたり中小企業支援に携わってきました。
その後、酸素カプセルメーカーへ転職し、半年で営業部門の取締役に就任するという実績を残しています。
信用金庫時代に感じた課題意識が、そのまま独立の原動力になりました。

のぞクマくん
まず御社の事業内容を教えていただけますか?

横川さん
事業内容につきましては大きく分けて3つやらせていただいております。1つが経営コンサルティング事業。営業と財務、マーケティングが得意分野なので、お客様に向けて戦略のところから立案していくというところが1つあります。もう1つの事業につきましては、デッドファイナンスの支援事業をやらせていただいております。3つ目が、経営者コミュニティ及びイベント・交流会事業になっております。

のぞクマくん
3つの事業を、ほぼお1人で回されているんですね。

横川さん
そうですね。僕1人でほぼほぼやってます。

なぜこの事業を始めたのかという問いに対し、横川氏は率直な答えを口にします。
信用金庫の仕事そのものが、個人的にやりたいことだったと言うのです。
一生懸命頑張ってもスターダムに上がれない人たちが日の目を見られる世界をつくりたいという思いが、独立後も事業の軸になっています。
中学時代に担任教師から「お金持ちになりたいなら銀行がいい」と勧められたことがきっかけで信用金庫を志望し、就職活動は1社のみで内定を得たといいます。

経営哲学 — 焦らない資金設計が、相手本位の経営を支える

創業から3期目を迎える同社が大切にしているのは、短期的な売上を追いすぎず、顧客にとって本当に必要な価値を見極める姿勢です。
横川氏は、資金繰りへの不安が強くなると、人はどうしても目先の売上やマネタイズに意識が向きすぎてしまうと考えています。
だからこそ、無理に売るのではなく、相手にとって本当に必要なサービスをつくり、届けることを重視してきました。
「自分が儲かるか」ではなく、「相手にとって本当に必要なものか」。
その視点を持ち続けることが、横川氏の経営における軸です。
焦らず、無理に売らず、長く信頼される事業をつくる。
その考え方が、同社の安定した経営を支えています。


のぞクマくん
起業してから、ピンチだった瞬間はありましたか?

横川さん
ピンチはないですね。思い通りにいっています。ありがたいことに、起業してから1ヶ月だけしか赤字を出してないんですよ。

のぞクマくん
それはすごいですね!なぜそこまで安定した経営ができるんでしょうか。

横川氏がまず挙げたのは、資金と経営判断の関係についての実感でした。
「お金のことを考え出すと、人間はお金のことしか考えられなくなる」というのが、13年間金融の現場に立ってきた横川氏の結論です。

横川さん
金のことを考え出すと、人間って金のことしか考えられなくなるんですよ。仕事にカロリーを使えなくなる。それは僕自身も一応金融屋なので、よく分かっている部分があって。

のぞクマくん
資金繰りの不安が、本業への集中力を奪ってしまうということですね。

この実感に基づき、横川氏は創業前から自身の貯蓄を含めたランウェイ(資金が尽きるまでの期間)をおよそ15年分確保する形で事業をスタートさせました。
「余裕があったから始めた」のではなく、「判断を鈍らせる資金不安を意図的に取り除いた上で始めた」という順序です。

横川さん
正直なところ、当社には約15年分のランウェイがあります。そのため、資金面への不安がなく、事業そのものに集中できている感覚があります。赤字にならない商品を作り、それが一定程度売れる状態をつくることができれば、生活に困ることはありません。だからこそ、目先の売上に追われすぎず、長期的な視点で事業に向き合うことができています。

のぞクマくん
資金の不安がないからこそ、目先の売上ではなく本質的な商品づくりに集中できるんですね。

その姿勢は、日々の事業判断にも表れています。
横川氏が繰り返し語ったのは、「儲けを優先する発想そのものが、事業を遠回りさせる」という逆説的な考え方です。

横川さん
みんなマネタイズっていうものを考えすぎるんですよ。自分が儲かればいいって考えるから売れないんです。マネタイズっていうところだけを抜くと、意外にサービスって簡単です。やってみてやってみて分かりました。

金融機関で数字と向き合い続けてきた横川氏だからこそたどり着いた、「資金不安を切り離すことが、遠回りに見えて最短の経営判断につながる」という考え方。
これは同社の3つの事業すべてに共通する土台になっています。

交流会戦略 — 数は暴力、そして”日本一”というブランディング

同社の3つ目の事業の柱であり、横川氏個人の強い個性が表れているのが経営者コミュニティ・交流会事業です。
年間400回を超える交流会参加という圧倒的な物量が、独自のブランドを築いています。

のぞクマくん
交流会を始めようと思ったきっかけは何だったんですか?

横川さん
始めた理由についてはリードが欲しかったからです。上場企業の時に、会社にリードがなかったので、いかに単価を安くアタックリストを作るかというところで、名刺交換になるものが1番効率が良かったです。

のぞクマくん
最初は営業目的だったんですね。そこからどう変わっていったんですか?

最初は営業目的で交流会に参加していた横川氏ですが、周囲の先輩から「人にされて嫌なことをしてはいけない」と指摘を受けたことをきっかけに、姿勢を大きく転換します。
以降は自分の仕事の話をせず、相手の話に耳を傾けることを徹底するようになりました。

横川さん
何回か会っていると、仕事の話をしたくなるじゃないですか。そうやって自分から聞く気になって聞いた話の方が、人間は記憶に残るんですよ。聞く気がない話を聞いている時は、記憶に残らないし、そしたらサービスも売れないんです。

その後、横川氏は交流会の場数を戦略的に積み重ねていきます。
「数は暴力」という考え方のもと、年間400回超という物量で「日本一」の座を狙い、独自のポジションを確立しました。

のぞクマくん
年間400回はすごい数ですね。何を意識されていたんですか?

横川さん
数って暴力なんすよ。200回よりも300回の方が多いんすよ。300回よりも400回の方が多いんすよ。僕ができる範囲で、日本一になれそうだったからやりました。365回ってやつはいるんですけど、400何回ってやつはいないんですよ。

のぞクマくん
それ、まさに「いない場所」を見つけて突き詰めた結果なんですね。

現在は主催側としても月5〜8回のイベントを開催し、20人規模の会から500人規模の大型交流会まで幅広く手がけています。
コミュニティメンバー向けの特典としてランチ会を無料で開催するなど、参加者との関係構築にも力を入れています。

採用の考え方 — スキルより「僕がイライラしないか」

同社の採用哲学は、一般的な企業とは一線を画しています。
KPIやKGIといった数値目標を設けず、採用基準も能力ではなく「一緒にいて心地よいかどうか」に置いています。

のぞクマくん
採用で大切にしていることを教えてください。

横川さん
当社の採用基準は、僕自身が一緒に働いていてストレスを感じないかどうかです。この人のためであれば、たとえ大きなミスがあったとしても、自分が責任を持てると思えるかどうか。そこを大切にしています。能力の有無よりも、「この人にこのポジションを任せたい」と明確に思えることが、採用において重要だと考えています。

のぞクマくん
それ、すごくわかります。能力よりも一緒に働く上での相性を重視されているんですね。

採用計画はサッカーのポジションになぞらえて具体的に描かれています。
横川氏自身を得点を取る「フォワード」と位置づけ、既に守備の人材を1人確保済みで、次はフォワード気質の若手をヘッドハンティング中とのことです。
今後はサイドバックにあたる行動力のある人材、最後にセンターバックとして右腕を支える人材を採用する構想を描いています。

のぞクマくん
5人体制が完成したら、かなり強いチームになりそうですね。

横川さん
揃わなくてもいいんです。その人の人生を背負ってやるんだったら、簡単に入れてダメだったねとは言えない。僕から見て100点のやつじゃないと入れないですね。

会社を積極的に拡大する意向はなく、「欲しい人材が現れた時に、初めて会社の規模を広げる」という順序を大切にしていると横川氏は説明します。

読者へのメッセージ — 年収ではなくモチベーションで仕事を選ぶ

インタビューの最後に、同じ悩みを持つ経営者や、同社で働くことに関心を持つ求職者に向けたメッセージを伺いました。

のぞクマくん
最後に、求職者や経営者の方々に向けて一言いただけますか?

横川さん
年収とかお金というもので仕事を決めない方がいいと思ってます。自分が楽しく仕事をして、仕事がいいなって思ったら、勝手に給料って上がると思ってるんですよ。人間の能力なんて、そんなにみんな変わらない。結果を左右するのは、間違いなくモチベーションでしかないと僕は思っていて、モチベーション高く働けないと、パフォーマンスは落ちるんですよ。

のぞクマくん
それ、多くの人が忘れがちな視点かもしれません。

横川氏は、KPIを設けない理由についても言及します。
数字を追う姿勢がクリエイティブな発想を妨げると考えているからです。

横川さん
うちはKPIがないんです。数字ばかり気にしていると、面白いアイデアが出てこないんですよ。楽しいからこの商売、このサービスをもっと広めたいと思ってくれた方が、絶対に売れるんですよね。経営者にとっても同じで、ベクトルは常に相手向きであるべきだと思っています。

自分の利益のためではなく、相手のためになっているかどうかを突き詰めることがビジネスの本質だと横川氏は語ります。
一時的な資金的成功よりも、長期的に納得のいく経営を続けることに価値を置く姿勢が、同社の一貫した哲学として貫かれています。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、横川氏が数字目標を持たずとも、創業以来安定した経営を続けている点でした。
感覚や直感を重視しながらも、その裏には信用金庫時代の経験に基づいた堅実な判断があることが伝わってきます。

  1. 合同会社NETSUIは、経営コンサルティング・デットファイナンス支援・経営者コミュニティ運営の3事業を横川氏がほぼ1人で展開している。
  2. 横川氏は、KPIやKGIを設けず、資金不安を経営判断から切り離すことで、顧客にとって本当に必要な価値提供に集中している。
  3. 年間400回超の交流会参加という物量戦略により、独自のブランディングを確立した。
  4. 採用基準は能力ではなく「経営者自身がイライラせずに向き合えるかどうか」に置かれている。
  5. 横川氏は、年収よりもモチベーションを重視した仕事選びを求職者や経営者に勧めている。

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