専業主婦から睡眠専門家へ。”伝わる会社”を作る伴走者の経営哲学

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会社名株式会社three jobs
代表者矢間 あや(代表取締役)
事業内容睡眠事業(講演・セミナー・商品監修)とコーポレートブランディング事業(広報PR戦略支援・人材育成)の2軸を展開
設立2023年9月
所在地東京都港区南青山2−2−15
URL株式会社three jobs

株式会社three jobs代表取締役の矢間あや氏は、専業主婦・理学療法士・ミスコン日本代表というまったく異なる経歴を経て起業した異色の経営者だ。
「笑顔で挑戦する人を増やす」をミッションに掲げ、睡眠事業とコーポレートブランディング事業の2軸で中小企業の「100年後も愛される企業作り」を支援している。
本記事では、矢間氏がゼロから経営者へと変わっていくまでのリアルな道のりと、経営哲学に迫る。

目次

専業主婦・理学療法士・ミスコン——異色のキャリアが生んだ起業

矢間あや氏のキャリアは、一般的な起業家像とはまったく異なる。専業主婦として10年を過ごし、離婚を機に理学療法士の養成学校へ入学。
国家資格を取得して病院に勤めたのち、2018年にはアメリカのミスコンに挑戦し、ミセス部門で優勝して帰国するという、波乱に富んだ人生を歩んできた。

のぞクマくん
もともと専業主婦だったと伺っています。理学療法士を目指したきっかけは何だったんですか?

矢間さん
妊娠・出産の時に動く楽しさ大切さを知って、産後に海外のヨガに傾倒するんですけど、そこで海外の理学療法士をいっぱい知っていたんですね。離婚になってどうやってご飯を食べていこうという時に、たまたま日本にも理学療法士という職種があるということを知って、子どもを抱えて養成学校に通いました。

のぞクマくん
35歳前後で、高校上がりの同級生に混じって学校に通ったんですね。それはハードルが高くなかったですか?

矢間さん
あんまり考えてなかったかも。考えたら多分できなくなっちゃうから、やっちゃうというのが一番だと思います。

資格取得後に入職した病院はいわゆるブラック企業ならぬブラック病院で、矢間氏は仕事の結果は出しながらも、だんだんと仕事に面白みを感じられなくなっていったという。
そんな転機になったのが、アメリカのミスコンへの挑戦だった。

のぞクマくん
ミスコンでの優勝が、その後の人生を変えたんですね。

矢間さん
海外のミスコンは、美のところって20%ぐらいのジャッジしかされないんです。私の団体は子供のためのクイーンということで、社会貢献の意味合いがすごく強くなっている。理学療法士を腰掛けでやっていても、誰も助けることができないと腹落ちしまして、帰国後に出版の師匠の門を叩きました。

出版の師匠から「5冊本を出せばその道のプロと認められる」と指導を受け、睡眠という切り口で執筆を開始。
現在3冊を出版し、睡眠の専門家としてのブランディングを確立した上で、病院を飛び出してきたのが矢間氏の起業の原点だ。

広報PRは「伝える」ではなく「経営戦略」だと気づいた日

株式会社three jobsのコーポレートブランディング事業は、矢間氏が自身の広報PRを通じて気づいた「経営の盲点」から生まれた。
多くの企業が広報PRを「無料の広告」として捉えているのに対し、本来はすべてのステークホルダーとの良好な関係を構築するための経営戦略だと矢間氏は語る。

のぞクマくん
コーポレートブランディング事業を始めたきっかけを教えてください。

矢間さん
広報PRを経営者がプロモーションとかマーケティングとして、いわゆる広告、無料広告みたいな風に考えている企業さんなのか、それともパブリックリレーションズとして、企業とすべてのステークホルダーとの良い関係を作っていくための経営戦略として、しっかり位置づけられているかっていうところの考え方の違いなんだなということがだんだんわかってくるんですね。

のぞクマくん
それに気づいた時、ピンとくるものがあったんですね。

矢間さん
そうです。経営者が理解していないので、なんでランチ会にお前らが行くんだとか言って、広報の人たちの実力を潰している経営者もたくさん見てきたんですね。これがきちっと経営の中でできていると、経営者が楽になるのになって思って、その時にピンと繋がったわけです。

現在は「広報PR支援」という言葉を使わず、「企業ブランディング支援」として打ち出している。
社内の情報を整理し、それを社内外に伝える人を育成する——その仕組みが整うことで、採用にも組織にも良い影響をもたらすと矢間氏は考えている。

のぞクマくん
健康経営や人的資本経営に取り組む企業が増えていますが、うまくいかないケースも多いと聞きます。

矢間さん
よくあるのが、某運動系の企業さんが、健康経営ですって言って運動させる。研修ですと言って。でも従業員は何のためにやるのかよくわかっていないから、またこのクソ忙しいのに社長が何とかかんとか言って余計な荷物が増えたよって言って、何の結果にもならないっていうところを結構いっぱい見てたんですね。

創業直後、お客様の前でわんわん泣いた——ボコボコにされた時代

矢間氏が2023年9月に法人化した直後は、「広報支援をします」と言うと、マーケティングの経営者から「広報はプロモーションだ」と厳しく指摘されることが続いた。
自分の伝え方がまだ整っていなかった時期、矢間氏はお客様の前で泣き崩れるほど追い詰められた経験を持つ。

のぞクマくん
創業直後は大変な時期もあったと聞きました。

矢間さん
結構怒られたり、ガチでその人の前で大泣きするみたいなことがあったりして。50歳を超えて人の前でわんわん泣くなんてないですからね。その次予定入ってたんですけど、すみません、とんでもない状況なので無理ですって言って断りました。

のぞクマくん
それでも折れなかったのはなぜですか?

矢間さん
大変だと思ったら、多分やっていけないと思います。やってみて、どこがダメだったのかということをものすごく、改善して走りながら回していったというのが正直なところなので。

2024年1月からは月に400人という規模で人に会い続け、伝え方を磨いていった。
どれだけボコボコにされても走り続けられた理由について、矢間氏はこう振り返る。

矢間さん
継続とか、何のためにやるのっていうのがないと、なかなか続かないのかなっていうのはすごく実感しています。

のぞクマくん
睡眠を切り⼝にした講演がご褒美仕事という⾔葉が印象的でした。

矢間さん
大変な時にご褒美仕事が来るんで。地方に行けると超ラッキーとか思うし。矢間さんが来るから睡眠って言ったらピンクのシーツみたいな話をされるのかと思ったら、結構がっつり経営の話をされて、1時間眠れると思ったら眠れなかったよ、みたいなことを言っていただいて。そういう経営者の大先輩の方たちの声を聞きながら、よしっ!て思ってまた帰ってくるっていうね。

「やったことがないからできない」は、うちとは仕事できません

株式会社three jobsは「挑戦できる社会を創造する」というミッションを掲げている。
その実現に向けた行動指針の一つが「プライドを捨ていつも本気で」だ。矢間氏が採用や協業で重視しているのは、経験の有無よりも、本気で向き合い、やりながら考えられる姿勢である。
「やったことがないからできない」と言う人とは仕事ができない。そこには、同社が大切にする“本気で挑戦する姿勢”が表れている。

のぞクマくん
どんな人と一緒に働きたいと考えていますか?

矢間さん
行動できない人はうちにはいりませんって言っています。あと、服従させようっていう考え方の人も向いていませんよって言っています。

のぞクマくん
やったことがないからできない、という言葉が特に刺さりました。

矢間さん
私が専業主婦だったんだから、みんなできるんですよ。私も理学療法士で、いきなりビジネスの世界に飛び込んできて、やったことないことだらけなんです。だから、やったことがないからできないって言ったら、うちとは仕事ができませんって言っています。

挑戦とは、最初から大きな山を登ることではない。
矢間氏が患者として向き合ってきた人々が、体が整っていくことで小さな挑戦を重ね、笑顔を取り戻していく姿——そのリハビリの現場で培った哲学が、今の経営スタイルにも色濃く反映されている。

矢間さん
昨日まで、ちょっと敷居が高くて入れないお店に入ってみたって、ものすごくいいと思うんですよ。そういう小さいことでもやってみる、それでやってみてできたら嬉しいじゃないですか?嬉しいと笑顔になるじゃないですか?というのがいっぱいできたら楽しいよね。っていうのをやっていこうよっていう会社にしています。

3年後、私が抜けても回る組織へ

矢間氏が描く今後のビジョンは、自分が前線でバリバリ働き続けることではない。「私が抜けても回る仕組みをつくること」が、現在の株式会社three jobsの最大の経営課題だ。

のぞクマくん
3年後はどんな組織にしていきたいですか?

矢間さん
企業ブランディングのところを本当に何名かの体制で、私が抜けても回るような仕組みができていかないとダメだなってすごく思っています。営業職大募集みたいなのではなくて、やっぱりうちの理念とか、うちの思いとかに共感してくれた、一緒に船に乗って、一緒に汗水垂らして、一緒にゴールに向かって走っていける仲間が欲しいなっていうのは、最近思うようになりました。

のぞクマくん
自分より適任の人に任せていくというのは、なかなかできないことですよね。

矢間さん
いろんな業界でいろいろ長くやってきて、力をお持ちの方、そういう方たちの力を借りながら、一緒に船に乗って、未来を作ってくれる人たちを一緒に、これから募集していければなというのが正直なところです。

一方で、矢間氏自身は睡眠の専門家としての講演活動を「ご褒美仕事」として続けていきたいという。
60代になった時に、経営者の悩みを聞きながら第一線で働く人たちの脇に寄り添えるような存在になること——それが矢間氏の理想とする経営者像だ。

矢間さん
若い人とかこう悩みがある人は、よしよししながら話を聞いて、よしよししながらご飯食べさせて、はい!頑張ってこい!って背中を押すような人になれればいいかなって。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、矢間氏が「大変だと思ったらやっていけない」と語りながらも、創業直後に泣き崩れるほど追い詰められた経験を包み隠さず話してくれたことだ。その正直さと、それでも走り続けてきた行動力に、経営の本質を見た気がした。

  1. 株式会社three jobsは、睡眠事業とコーポレートブランディング事業の2軸で、中小企業の「100年後も愛される企業づくり」を支援している。
  2. 矢間あや氏は、広報PRをプロモーションではなく経営戦略の土台として捉えており、社内外への情報発信の仕組みづくりを伴走支援している。
  3. 矢間あや氏は「やったことがないからできない」を禁止ワードとして掲げ、行動力と本質的思考を持つ仲間との協業を重視している。
  4. 株式会社three jobsは2023年9月設立の3期目で、代表が抜けても事業が回る組織体制の構築を現在の最重要課題としている。
  5. 矢間あや氏は、専業主婦・理学療法士・出版という異色のキャリアを経て起業しており、「やってから考える」という哲学が経営の原動力になっている。

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