移動の価値を革新する。Key Fusion Labが描く少数精鋭の未来図

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会社名Key Fusion Lab株式会社
代表者西村 修二(代表取締役)
事業内容モビリティ・自動車業界向けエンジニアリングサービス、および移動体験の革新を目指した自社プロダクト開発
設立2020年10月
従業員数社員4名(業務委託・インターン含め総勢10名程度)
所在地東京都千代田区丸の内1-6-5丸の内北口ビル9F
URLKey Fusion Lab株式会社

Key Fusion Lab株式会社は、モビリティ・自動車業界を主軸に、技術コンサルティングからシステム設計・仕様策定まで一気通貫で担うエンジニアリング会社だ。
代表取締役の西村修二氏は、日産自動車でのキャリアを皮切りに、EVベンチャー、外資系エンジニアリング会社の日本法人立ち上げを経て2020年に創業。
「移動の価値を革新する」という大きなビジョンのもと、VCに頼らず自己資金で事業を積み上げてきた。少数精鋭で描く10年後の組織像と、採用・育成への独自の考え方に迫った。

目次

自動車業界の”内側”で気づいた、二つの課題

モビリティ領域に特化したエンジニアリング会社を立ち上げた背景には、業界の内部にいたからこそ見えた課題がある。西村氏が現場で感じ続けたのは、スキルのあるメンバーが実力を存分に発揮できる環境が限られていること、そして移動時間そのものが持つ価値が十分に引き出されていないこと——この二つだった。

日産自動車の開発部門からキャリアをスタートし、EVベンチャー、さらには外資系エンジニアリング会社の日本法人立ち上げに参画するなど、自動車業界を横断してきた西村氏。大型組織の中で高度なスキルを持つエンジニアが数多く存在する一方で、その実力が部分最適にとどまり、組織全体として価値につながりにくい構造に、次第に強い問題意識を持つようになった。

この違和感は、単なる個人のキャリア課題ではない。
「どんな人を採用し、どう育て、どのような役割設計を行えば、専門性を価値に変えられるのか」
——採用・育成・組織設計に直結するテーマだった。

のぞクマくん
起業のきっかけは、どんなところにあったんですか?

西村さん
大きな組織の中で、長年大きく構造が変わらない製品開発に携わる中で、個々のエンジニアのスキルは高いのに、それを最大限に活かしきれる環境が整っていないと感じるようになりました。
その一方で、移動時間の価値をもっと高められる余地があるとも感じており、既存の枠組みにとらわれず、自分たちの手で新しい移動体験をつくりたいと考えたことが、起業のきっかけです。

のぞクマくん
業界の内側にいないと、見えてこないことですよね。

西村さん
もう一つは、車や超小型モビリティなど移動に使うツールは揃っているのに、移動に使う時間そのものの価値を考えると、まだまだ高められる余地が大きいと感じていました。それを格段に向上させるような環境や手段を作れないかなと思ったんです。

「移動をもっと快適に、もっと有意義に」——この問いが、創業の原点となった。

VCを入れない。自己資金で走り切る理由

Key Fusion Labは、エンジニアリングサービスと自社プロダクト開発という二本柱で運営されている。エンジニアリングサービスで得た売上が、移動体験を革新するオリジナル開発の原資となる構造だ。西村氏は外部VCへの依存を意図的に選ばなかった。

のぞクマくん
ベンチャーといえばVC調達というイメージがありますが、自己資金にこだわる理由は何ですか?

西村さん
VCなどの資金提供者が入ってくると、現実的にはIPOを一つの前提として事業を進めることになります。そうすると、どうしても短期的な関心の高いテーマやトレンドを意識した判断が増えやすくなると感じています。

のぞクマくん
自分がやりたいことと、投資家が求めるゴールがずれていくリスクがあると

西村さん
株式会社としてVCを含めた資本構成で運用する場合、自己株比率は徐々に下がっていきます。そうした中で、当初やりたかったテーマを長期的に継続できるかを考えたとき、意思決定の自由度が下がる可能性があると思いました。
もちろん、VC調達という選択肢自体を否定しているわけではありません。ただ、いま自分たちが本当に取り組みたいテーマを、長期の時間軸でぶらさずに進めるには、現時点では自己資金でやり切る方が適していると判断しています。その方針のもとで、現在は運営しています。

スピードよりも、継続性と納得感を重視する——その判断が、Key Fusion Labの経営スタイルを形づくっている。

採用で見るのは「過去」より「これから」

創業6年目で正社員4名。採用においては、さまざまな媒体を活用してきたが、安易に人数を増やす選択はしてこなかった。少数精鋭だからこそ、採用基準は一貫している。同社が重視するのは、スキルそのものと、そのスキルにどう向き合うかというマインドセットの掛け合わせだ。

のぞクマくん
採用で一番大切にしている基準は何ですか?

西村さん
スキルに向き合うマインドセットですね。

のぞクマくん
面接でどうやって見極めるんでしょう?

西村さん
例えばユースケースを提示して、「こういう状況だったらどうしますか」「どう切り抜けますか」といった問いを投げます。共通の課題に対して、どう考え、どう解決しようとするのか。そのプロセスを見ることで、マインドセットを確認しています。

のぞクマくん
経歴や実績よりも、これからどう動けるかを見ているんですね。

西村さん
過去に何をしてきたか以上に、その考え方やスキルを使って、これから何に挑戦したいのかを重視しています。過去の情報だけで判断してしまうと、その人が持つ可能性や伸びしろを見落としてしまうことがある。だからこそ、将来に向けた姿勢を見たいと考えています。

少人数組織においては、一人ひとりの採用が会社全体の信頼や価値に直結する。西村氏はその重みを、実体験として深く理解している。

人数より密度。10年後の布陣を今、逆算で設計する

現在の課題の一つが、外注比率の高さだ。案件ごとに専門性の高いフリーランスと協業できる一方で、「活動を進めれば進めるほど、本来は社内に蓄積されるはずのノウハウが分散してしまう」という課題も見えてきた。
この課題に対し、Key Fusion LabではAIを活用したナレッジの体系化と、正社員採用の強化を並行して検討している。

のぞクマくん
育成面では、今どんな取り組みをされていますか?

西村さん
第二新卒のような形で入ったメンバーがいて、彼の育成計画やキャリアプランを作っています。評価制度や1on1については、まだこの人数規模では形式的に導入する段階ではないと考えていますが、将来を見据えたベースは整えています。

のぞクマくん
10年後にどんな組織を目指していますか?

西村さん
10年後にどういう布陣で、何に取り組んでいるのかを起点に、今を逆算して考えています。20名規模になったときに、どんなレイヤー、どんな役割、どんなマインドやスキルセットが必要なのか。その前提を作らないまま採用すると、組織は歪んでしまう。だから、いま作り始めているところです。

のぞクマくん
トップダウンで全部指示するのではなく、メンバーの個性が反映された成果を大切にしているんですね。

西村さん
細かく指示すれば、想定どおりの成果は出てきます。ただ、それ以上にはなりにくい。自分の限界が、そのまま会社の限界になってしまいます。
指示の粒度をどこまでにするか。その余白にメンバーの個性や視点が反映され、想像もしなかった形でアウトプットが返ってくる。それが会社の財産になると考えています。

一緒に働く仲間へ、そして同じ悩みを持つ経営者へ

のぞクマくん
最後に、Key Fusion Labで働きたいと思っている方へメッセージをいただけますか?

西村さん
既存の価値にとらわれず、新しい価値を生み出せるかどうか。そのために必要な姿勢や思考を、一緒に高め合っていける方と働きたいですね。

のぞクマくん
同じ悩みを持つ経営者の方々には?

西村さん
人のことは本当に難しいですよね。期待しすぎてもいけないし、期待しなさすぎてもいけない。その難しさを共有しながら、対話できる経営者の方とは、ぜひ話をしたいと思っています。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、西村氏の「将来を見る」という一貫した姿勢だ。採用でも経営でも、過去の実績や目先のトレンドに流されず、10年後の姿から逆算して今を設計しようとする視点が、随所に表れていた。

  1. Key Fusion Lab株式会社は、モビリティ・自動車業界向けエンジニアリングサービスを主軸に、移動体験の革新を目指した自社プロダクト開発を並走させている。
  2. 西村修二氏は、VCに依存しない自己資金経営によって、長期視点での意思決定とテーマの継続性を重視している。
  3. 採用基準は「スキル」と「スキルに向き合うマインドセット」の掛け合わせで、過去の肩書きよりも将来の可能性を評価している。
  4. 外注比率の高さという課題に対し、AIを活用したナレッジ体系化と正社員採用の強化で対応しようとしている。
  5. 10年後20名体制を見据え、採用前に役割・レイヤー・スキルセットを逆算で設計する組織づくりを進めている。
  6. Key Fusion Labにおける価値創出の核は、課題やニーズを正しく捉える「要求定義」から、それを実装可能な形に落とし込む「設計」までを一気通貫で担う点にある。

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