| |
|---|
| 会社名 | 株式会社NARABA |
| 代表者 | 寺下 宏之(代表取締役) |
| 事業内容 | 電気通信工事業(インターホン設備、TV/CATV、監視カメラシステム、放送設備等の設計・施工) |
| 設立 | 2013年11月 |
| 所在地 | 東京都町田市中町1-30-8 菅井町田ビル |
| URL | 株式会社NARABA |
株式会社NARABA代表取締役・寺下宏之氏は、「こだわらないことにこだわる」という独自の経営哲学で電気通信工事業を率いている。前職で20年間培った営業経験をもとに、「ならば私たちがやります」の精神で2013年に独立。
採用では「人の心を動かせるかどうか」を最も重視し、変化を恐れない組織づくりに取り組んでいる。
目次
「できません」を聞いて、独立を決めた
寺下氏が起業を決意したきっかけは、前職での「違和感」だった。テレビアンテナメーカー・マスプロ電工で20年間営業を務め、多くの協力会社やパートナー企業に仕事を発注する立場にいた。
まずは創業のきっかけを教えてください。なぜ電気通信工事の事業を始めようと思ったんですか?
前職ではいろんなシステムを協力会社さんに発注する立場だったんですね。新しいものをお願いすると「こんなのできません」って言われて、なんでできないのって聞いたら「やったことないから」って言われるんですよ
やったことがないから、できない。それが当たり前になっていたんですね
やったことないことを考えてやるのが仕事だと僕は思っていたんですけど、意外とみんな平気で「できません」って答えても生きていけてるんですよね。じゃあ「それできます」って言えたら、もっといい世界があるんじゃないかなと思って独立したのがきっかけです
社名の「NARABA」には、「ならば私たちがやります」 という決意が込められている。電気通信工事業とは、インターネット回線やマンションのインターホン設備、空港の防犯システムなど、電気信号のやり取りで構成されるシステムの設計・施工を担う仕事だ。
触るとビリビリする電気と、そうじゃない電気とあるんですよ。電気通信っていうのは電気信号のやり取りをする分野で、オートロック付きマンションのインターホンの交換とか、羽田空港の防犯システムとか、そういったものの設置や交換をメインでやってます
人の心を動かせるか——採用で見る基準
株式会社NARABAの採用において、寺下氏が最も重視しているのはスキルや経歴ではなく、「人の心を動かす力」だ。
採用の中で一番大切にしている基準って何ですか?スキル重視なのか、人柄やカルチャーフィットなのか……
一番重要なことっていうのは、人を動かす力があるかどうかだと思うんですよ。マネジメントする立場であっても新入社員であっても、人と会った時に人の心に何かを残せる人かどうかっていうのは大きな違いだと思うんですね
なるほど。では面接で「この人いいな」と感じる瞬間ってありますか?
話の腰を折らない人ですね。人に好かれる人って、まず相手の話を最後まで聞くんですよ。そういう人の方が仕事もやりやすいと思うんですよね
さらに寺下氏は、面接で「今まで一番頑張ったこと」を聞いた際の回答にも注目しているという。
例えば30代の男性が「高校3年の部活でインターハイに出た時が一番頑張りました」って言ったとしますよね。じゃあそこから約20年間、それ以上頑張ってないんですかって思っちゃうんですよ。毎日全力で生ききって、今日が一番頑張ったって言える日にしたいと思って自分は生きているので
常に「今日が一番」でありたいという姿勢なんですね。採用の流れはどんなステップですか?
まず人が来ないですよね、中小企業は。だからアルバイトで時給1,500円って募集すると結構来るんですよ。で、ちょっと優秀な子だったら「月給に計算してみ、正社員の方が高いよ」って言うと「じゃあ正社員になります」って。バイトで募集した方が採用しやすいと思います
アルバイト募集からの正社員転換という独自の手法で、採用の間口を広げている。電気通信工事業は現場仕事のイメージが強く、若手の応募が集まりにくいのが業界全体の課題だ。寺下氏はその現実を直視しながら、人材確保の工夫を続けている。
こだわらないことに、こだわる
寺下氏の経営哲学を象徴する言葉が、「こだわらないことにこだわる」だ。育成や組織運営において、固定観念を持たないことが最大の強みだという。
育成で「これだけは譲れない」というこだわりや、うまくいっている仕組みってありますか?
僕の一番の強みっていうのは、こだわらないところなんですよ。物事に固執すると、そこから崩れていくんです
こだわらないことが強み、ですか。それはどういうことでしょう?
自分がこう思ってる、ここにこだわってるっていうものがあると、うまくいかなかった時に何かのせいにしてしまうんですよ。でもそれは、こだわってるせいなんです。自分はこだわらないので、ダメだったらまた次やればいいやと切り替えられる。こだわらないことにこだわってます
この「こだわらない」哲学は、日常の姿勢にも表れている。寺下氏は**「昨日と違うことを今日やらないと、新しい発見には繋がらない」**と語る。毎日同じルーティンを繰り返すのではなく、小さな変化を積み重ねることが成長の鍵だという考え方だ。
昨日と違うことを今日はやらないと、新しい発見には繋がっていかないんですよ。昨日行った店は1ヶ月間行かないぐらいの意気込みで生きてほしいですね、みんなに
毎日がピンチ。だから1ミリずつ前に進む
中小企業の経営は、常にリスクと隣り合わせだ。寺下氏は「ピンチかチャンスか」と問われ、迷いなく「毎日がピンチ」と答えた。
起業してから一番のピンチや、逆にチャンスだと感じた瞬間ってありますか?
ピンチなのは今でもピンチです。毎日ピンチです。いつ何が起きてもおかしくないようなところに常にいるんですよ
チャンスっていうチャンスはないかもしれないですね。本当に毎日毎日、1ミリずつ前に進もうかなっていうことの繰り返しですよね
その「1ミリ」の積み重ねの中で、寺下氏が特に大切にしているのが人との出会いだ。
家に帰って一人で布団の中に入ってゲームしてたら僕は幸せなんですよ。でもあえて毎日違う人と会って、人間関係を構築していくことで、常に誰かのご縁とか誰かの力に支えられて生きていくことができるんだなって最近感じてますね
3年後のビジョンを聞くと、「3年後も生きられてたらいいなっていう思い」と率直に語った。華やかな目標ではなく、社員の満足度が高い会社であり続けること。そして休日を増やすことなど、地に足のついた課題に向き合い続けている。
社員が満足度の高い会社であり続けたいなというのはありますし、あとは休日をもう少し増やしたいなとか。そういうのはありますよね
夢がないなら、「どう生きたいか」を一緒に見つけよう
最後に、求職者と同じ悩みを持つ経営者へのメッセージを伺った。
この会社で働きたいと思ってくれる人、そして同じ悩みを持つ経営者の方々に一言ずつお願いします
働きたいと思ってくれる人には、夢がないならないなりに、どう生きたいかを実現させてあげるよと。野心とか夢があるんだったら、叶えられるものがここにはあるんじゃないですかって思ってます
諦めるものは諦めなよって。諦めなよって思っちゃいますね
「できません」と言わない姿勢で起業し、こだわらないことで変化に強い組織をつくる。寺下氏の言葉には、中小企業経営のリアルと、それでも前を向き続ける覚悟がにじんでいた。
編集部まとめ
今回の取材で印象的だったのは、寺下氏の飾らない言葉の一つひとつに、経営者としての覚悟と人間味がにじんでいたことだ。「こだわらないことにこだわる」という一見矛盾した哲学が、変化の激しい時代を生き抜く中小企業経営の核心を突いていると感じた。
- 株式会社NARABAは「ならば私たちがやります」の精神で、他社が断る仕事にも挑戦する電気通信工事会社である
- 寺下宏之氏は採用において「人の心を動かせるかどうか」を最も重視している
- NARABAでは物事に固執しない柔軟な経営スタイルで、変化への対応力を強みとしている
- 寺下氏はアルバイト募集から正社員転換するという独自の採用手法で人材確保に取り組んでいる
- 寺下氏は「毎日1ミリずつ前に進む」姿勢で、社員満足度の高い組織づくりを目指している
あなたの経営も、記事にしませんか?
掲載無料。話すだけで、御社の魅力が記事になる。
掲載希望はこちら →