“カラ・FULL”な才能が活きる組織を、地方から日本中につくる

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会社名株式会社Onefamily
代表者松村 亮(代表取締役)
事業内容才能主導型の人材定着支援・HRサポート。採用前のタスク設計から入社後のワンオンワン定着支援までを一貫して行う
設立2025年11月25日
従業員数役員3名
所在地滋賀県
URL株式会社Onefamily

「一人ひとりの才能が輝ける社会をつくる」——そう語るのは、株式会社Onefamily代表取締役の松村亮氏だ。元消防士という異色のキャリアを持ち、滋賀県を拠点に人材定着支援事業を立ち上げた松村氏に、採用・育成・組織づくりへの独自の哲学を聞いた。

目次

人材定着の”本当の課題”は採用の前にある

多くの中小企業が採用に悩む根本原因は、「欲しい人材の解像度が低いまま採用活動を始めてしまうこと」にある。株式会社Onefamilyは、採用の前後を一貫してサポートすることで、ミスマッチのない組織づくりを支援している。

「営業が欲しい」という声は多い。しかし松村氏は、その一言の裏に深刻な社内のすれ違いが隠れていると指摘する。

のぞクマくん
御社では、採用の相談はどんな形で来ることが多いですか?

松村さん
経営者が欲しい営業と採用担当が欲しい営業と、現場が本当に欲しい営業の任せたいタスクがみんなバラバラのまま、ただ営業が欲しいよみたいなことを言っちゃうので、社内でミスマッチが起こった状態で採用すると、もちろんミスマッチの多い人が来てしまう。

のぞクマくん
確かに。それが積み重なると離職につながってしまうんですね。

松村さん
これを続けてしまうとやっぱ定着が難しいよねというところがあるので、僕らはまず自分たちが自社の業務を理解して、その業務に対してどんな仕事を任せたいのか、それを任せたい人がどんな才能を持っているといいのかみたいなところをサポートする仕組みづくりをしています。

採用後のサポートも同社の特徴だ。入社後にKPIが伸び悩んだとき、原因を「個人の問題」と片付けるのではなく、社内文化や制度・仕組みの側に課題がないかを継続的なワンオンワンで探っていく。人と業務のマッチングが良くても、組織の文化が変わらなければ人は辞めていく——その現実を、松村氏は現場で繰り返し見てきた。

消防士・起業家という異色キャリアが生んだ「才能活用」の発想

松村氏のルーツは、消防士時代にある。一人ひとりが自分の役割を果たさなければ命が救えない——その現場で培ったチームづくりの哲学が、現在の事業の根幹になっている。

のぞクマくん
この事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

松村さん
一人一人に自分の中にある、いわゆる才能みたいな、この好きとか得意とか、自然とできちゃうものっていうことを、それをやっぱ仕事でも活かせるとみんなやりがいを感じるだろうなって思ってるんですけど。

のぞクマくん
前職での経験がベースになっているんですか?

松村さん
さらに深く辿ると、原体験として大きいのは消防の現場での経験です。当時は、いわば隊長のような立場でチームをまとめていました。そこでは、一人ひとりが自分の役割を確実に果たさなければ、人の命を救うことができません。誰か一人でも欠ければチームは機能せず、結果として組織全体も回らなくなってしまう。そうした経験が、今のチームづくりの考え方の根っこにあるのだと思います。

起業のきっかけは、大阪から滋賀県への移住だった。結婚・出産を機に奥さんの実家がある滋賀に移り住み、「地方でもキャリアを築けることを自分自身で体現したい」という思いが芽生えた。ビジネスキャリアだけでなく、自然と触れ合い、農業を営む週末など、人間としてのキャリアを地方で積めることに、松村氏は大きな可能性を感じている。

採用で一番大事にしているのは「共感」——ナラティブ型チームづくり

スキルよりも大切なものがある。松村氏が採用において最も重視するのは、「共感」と「ナラティブ(物語の共創)」だ。

のぞクマくん
採用で一番大切にしている基準を教えてください。

松村さん
やはり一番大事なのは、単なるカルチャーフィットというよりも「共感」の部分だと思っています。スキルは後から身につけることもできます。ただ、その共感や思いの部分と、先ほどお話しした「自分の好きなこと」や「得意なこと」、つまりその人自身の才能がしっかり合っているかどうかは、とても大切です。それは本人にとってもそうですし、私たちにとっても同じです。仲間のことを深く知り、その人の個性が輝けるような環境を、一緒につくっていきたいと考えています。

のぞクマくん
「ワンファミリー」という社名にも、その思いが込められているんですね。

松村さん
僕らがよく話しているのは、代表が思いを語り、そこについてきてほしいという一方向の形ではなく、一緒に物語をつくっていく「ナラティブ」のような関係でありたいということです。単なるチームというよりも、もっと共感性の強い関係性。僕の中では、それを「家族」というより「ファミリー」と表現するのが近い感覚です。つまり、チームの上位概念として「ファミリー」という言葉がある、というイメージですね。

面接では「目の輝き」を重視する。夢やビジョンを語るとき、本音が出た瞬間に目が輝く——そのサインを松村氏はビジネスコーチングの経験からも鋭く読み取る。また、話すだけでなく「聞く・問う」ができるかどうかも重要な判断軸だ。上手くなくていい、準備ができているかどうかを見ているという。

体験入社とワンオンワンで育てる——「カラフルフル」な育成哲学

入社後の育成においても、松村氏のアプローチは独自だ。会社が「やれ」と指示するのではなく、本人が「やりたい」と思えるプロセスを一緒につくることにこだわる。

のぞクマくん
新しく入った人をどう育てていく予定ですか?

松村さん
この方が目指しているビジョン、うちの会社に入って目指している部分を一度聞きながら、それに向けて今年一年はどういうチャレンジをしていこうかというところをその人の才能の部分とか、伸ばしたい職能っていう部分を一緒に考えながら作っていく。できれば、「僕らがこれをやりたい」という一方的な発想ではなく、本人が何をやりたいのかっていうところを引き出しながら一緒に一年間のプロセスを作っていくみたいなところを大事にしたいなと思っています。

のぞクマくん
最初はスキルよりも関係性づくりを重視するんですね。

松村さん
特に最初はスキルセットとかよりも、どっちかと言えば関係性の構築の方が大事なのかなと思っているので。人の人生背景とかも多分くどく聞いちゃうタイプなんで、どうやってその価値観が育まれてきたのかとか、どうやってその強みが生まれてきたのかとか。

同社の行動指針にはカラ・フルという言葉が使われている。「カラー」と「フル」の間に点を入れた造語で、自分のカラーをフルで発揮しようというメッセージが込められている。採用時には体験入社(1〜2日)を必ず設け、互いの肌感覚を確かめてから入社を決める仕組みも構想中だ。福利厚生としては、トレーニング補助や自然の中でのオフサイトミーティングなど、体と脳のメンテナンスを重視した制度を整えていく考えだ。

3年後、6拠点・30〜40名で地方から日本を復活させる

松村氏のビジョンは、一社の成長にとどまらない。地方の可能性を信じ、全国6拠点に展開することで、地域コミュニティごとに才能が循環する仕組みをつくろうとしている。

のぞクマくん
3年後、どんな組織にしたいですか?

松村さん
九州、それから四国、それから関西、関東、東北みたいなところで六拠点ぐらいとかができていると嬉しいなあと思っています。その中に僕らのサポートメンバーが5名いると回せるかなと思っているので、じゃあ5の6ってなってくると、30から40名ぐらいの規模感にはなってくるんじゃないかな。

のぞクマくん
地方への人材流入を増やすための仕掛けも考えているんですか?

松村さん
地方の企業とかは地方だからこそ大手と同じような採用とかのチャレンジをするんじゃなくて、自分の思いとかやっぱこういう場所で発信したりとか、より一人一人を大切にする目線がこれからは必要になってくると思うので、自分たちの仕事をより知って、自分たちの仕事にどんな才能がある人が入ってくるのかっていうところを、会社側がしっかりと作っていければ、母数が少なくてもまだまだ地方の企業には勝ちしろ、伸びしろはあると思っているので。

AIやITが飽和状態に近づきつつあるなかで、残りの伸びしろは地方にしかないと松村氏は断言する。スタートアップの機動力を活かして地方の土台をつくり、都市では育めない「人間力キャリア」を持つ社員が輝く企業を増やしていく——そのビジョンに向けて、同社は走り続けている。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、松村氏の言葉の端々に「人への敬意」が宿っていることだ。採用も育成も、徹底して「その人の才能をどう生かすか」という視点から語られる。消防士として命と向き合ってきた経験が、経営哲学の根っこにしっかりと根を張っていた。

  1. 株式会社Onefamilyは、採用前のタスク設計から入社後のワンオンワン定着支援までを一貫して行う才能主導型HRサポート企業だ。
  2. 松村亮氏は「スキルより共感」を採用の軸に置き、ナラティブ型のチームづくりを実践している。
  3. 育成においては会社主導の指示ではなく、本人の「やりたい」を引き出す1年間のプロセス設計を重視している。
  4. 行動指針「カラ・フル」のもと、一人ひとりが自分のカラーをフルで発揮できる組織文化を構築している。
  5. 3年以内に全国6拠点・30〜40名体制を目指し、地方から日本の人材課題を解決するビジョンを掲げている。

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