“手に職”を武器に、女性が楽しく働ける会社をつくる

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会社名株式会社エッセンスマーケティング
代表者伊藤 舞(代表取締役)
事業内容広告費をかけないオーガニックSNS運用と、女性向けキャリア支援スクール「ABCマーケティング」の運営
設立2023年
従業員数30名(業務委託含む)
所在地東京都渋谷区広尾1丁目11-2
URL株式会社エッセンスマーケティング

株式会社エッセンスマーケティングは、広告費をかけないオーガニックSNS運用を武器に、Z世代女性が活躍する組織をつくっている。
代表取締役の伊藤舞氏は、離職者ゼロの採用と自社スクールによる育成で、社員が”手に職”をつけられる会社を目指している。

目次

広告費に頼らないSNSマーケティングという原点

エッセンスマーケティングは、広告費をかけずにアカウント運用のみで商品を販売する、オーガニック集客に強みを持つ。
社員全員がZ世代女性という特徴を活かし、20代女性向けプロモーションを得意としている。

のぞクマくん
なぜこの事業を始めようと思ったのか、前職で感じた課題感も含めてストーリーを聞かせてください。

伊藤さん
私がアカウント運用を提供している背景には、自分自身の原体験があります。大学生の頃からインフルエンサーとして活動していて、実際に自分のアカウントを通じて商品を届ける経験をしてきました。多くの企業は商品を売るためには広告費をかけるものだと考えると思います。でも私は広告費をかけなくても、企画やコンテンツの力で投稿にインプレッションを集め、そこから商品を届けることができるということを、自分自身のアカウント運用を通じて体感してきました。その中で感じたのは、単に広告で一時的に認知を取るのではなく、コンテンツを通じてファンをつくり、そのファンに商品やブランドの魅力を届けていくことの強さです。費用を大きくかけなくても、企画次第で人の心を動かし、売上につなげることができる。これは自分にとって大きな成功体験でしたし、「こんなに良いプロモーション方法はない」と身をもって感じました。だからこそ今は、その経験を自分だけのものにするのではなく、他社様にも展開していきたい。広告費に頼るだけではなく、企画やコンテンツ、そしてファンづくりによって事業の成長を支援したいと思い、アカウント運用を提供しています。

のぞクマくん
それ、すごくわかります。自分の成功体験がそのままサービスの核になっているんですね。

創業からまだ3年目という若い会社だが、思った以上のスピードで事業が成長してきたことが、伊藤氏にとってはむしろ大きな壁だったという。2026年4月には、東証スタンダード上場の株式会社ネオマーケティングのグループ会社となった。

半日体験入社と離職者ゼロの採用哲学

同社の採用は、書類選考、人事担当者による1次面接、伊藤氏による2次面接という流れに加え、内定前に半日の体験入社を挟むのが特徴だ。

のぞクマくん
半日体験入社って、なかなか聞かないですよね。すごく珍しいと思います。

伊藤さん
それで言うと、最初からやってますね。

のぞクマくん
それをやることにより実際に働くイメージがつくから、入社後のミスマッチも防げそうですね。

伊藤さん
皆さん結構フィットしてきますね。業務のイメージがつくので。

体験入社では実際の業務を体験してもらうほか、ランチを共にしながら会話する時間も設けている。
この仕組みにより、同社では短期離職者がこれまで一人もいない。

採用基準について伊藤氏は、スキルよりも「素直さ」と「挑戦することが好きかどうか」の2点を重視すると語る。

伊藤さん
経験者は基本的にほとんどいなくて、皆さんここで初めてキャリアを作っていくという方が多いんですけれど、未経験で入ってきているという言い方が正しいですね。

社員の平均年齢は24.5歳。
求人媒体は使わず、YouTubeの取材やSNS経由で月間約100人の応募があるという。

自社スクール「ABCマーケティング」による育成体制

同社は自社で運営するキャリア支援スクール「ABCマーケティング」を、社員育成の中核に据えている。
200本以上の動画教材を通じて、未経験からでもアカウント運用や動画制作のスキルを体系的に学べる環境を整えている。

のぞクマくん
どんな流れで育成しているんですか?OJT中心なのか、研修をしっかりやるのか気になります。

伊藤さん
教育体制としては、スクールで用意している200本以上の動画教材を中心に学んでいただく形です。未経験から始める方にとって、最初は不安もあると思いますが、基礎から段階的に学べるカリキュラムを整えているため、安心してキャッチアップしていただけます。動画教材を活用しながら、自分のペースで理解を深められる環境があるので、0からでも着実にスキルを身につけられる体制になっています。

通常、このスクールへの入会には20万円の費用がかかるが、内定者には無料で提供している。
新卒入社1年目の社員が中心の組織のため、顧客側もベテランのスキルを前提とせず発注しており、若手が働きやすい環境ができているという。

のぞクマくん
それ、いいですね。会社として若さを隠さず、お客様もそれを分かって発注してくださるというのは素敵な関係性だと思います。

評価制度や週1回のメンターとの1on1に加え、社内の様々なメンバーと交流する「ぐるぐる1on1」という制度もある。
先輩社員が後輩の面倒を見る文化が根付いており、伊藤氏はその関係性を「姉妹グループのような感じ」と表現する。

働き方については、10時〜19時を定時としながらフレックス制度を導入し、週4出社・週1リモートという柔軟な体制を取っている。

上場企業グループ入りという選択と、経営者の孤独

伊藤氏は、事業が自分でコントロールできない速度で成長していく中で、「誰かと一緒に事業成長していきたい」という思いから、自ら子会社化を打診したという。

のぞクマくん
上場企業の子会社になるというのは、結構ハードルが高いイメージがありますが、どんな経緯だったんですか?

伊藤さん
もともとは取引先としてお付き合いがあり、弊社のお客様としてご発注いただいていたことがきっかけでした。私自身、女性経営者としてキャリアを歩む中で、上司がいない状態で会社を経営していくことに心細さを感じる場面もありました。事業が大きくなるにつれて、自分一人ではコントロールしきれない部分も増えていき、「誰かと一緒に事業を成長させていきたい」という思いが強くなっていったんです。その時に考えたのが、グループインという選択肢でした。自分にとって上司のように相談でき、同じ目線で事業成長に伴走してくれる存在が必要だと感じたんです。すでにお仕事を通じたご縁もあり、信頼関係も築けていたので、「この方たちと一緒であれば、より良い形で事業を伸ばしていけるのではないか」と思いました。そこで、こちらから「もしよければ子会社として迎えていただけないか」とお願いした、というのが背景です。

のぞクマくん
自分から声をかけたんですね。それってすごく勇気のいる決断ですよね。

2026年4月、株式会社エッセンスマーケティングは東証スタンダード上場の株式会社ネオマーケティングのグループ会社となった。
伊藤氏は3年後に組織の規模を現在の10倍に拡大したいという目標を掲げている。

ポータブルスキルを武器に、楽しく働ける未来をつくる

伊藤氏が事業を通じて一貫して大切にしているのが、「どこに行っても通用するポータブルスキルを身につけてもらう」という考え方だ。

伊藤さん
10年後、このビジネスが今と同じ形で残っているとは限りません。だからこそ、その時に何ができるのかを常に考えておく必要があると思っています。そのために大切なのが、手に職をつけること、そしてどこに行っても通用するポータブルスキルを身につけることです。今のビジネスだけに依存していては、将来的に生き残っていけるとは限りません。だからこそ、メンバーにはビジネスパーソンとしての基礎力や応用力をしっかり身につけてもらいたいと思っています。どこに行っても恥ずかしくない、必要とされる人材になってほしい。それはメンバーだけでなく、自分自身にも言えることです。変化し続ける時代の中で、一人ひとりがどこでも通用する力を磨き続けること。そこが本質だと思っています。

のぞクマくん
めちゃくちゃわかります。私自身もずっとそう感じています。

最後に、これから同社で働きたいと考える求職者、そして同じ悩みを持つ若手女性経営者へのメッセージを聞いた。

伊藤さん
仕事って人生における占める割合が本当大きいと思ってて、平日5日間、10時間、12時間ぐらい働いてて、1日の大半を占めるものが仕事になっちゃうなって思って。仕事が楽しいかどうかは、人生の幸福度に本当に直結すると思ってる。だから仕事楽しい方が絶対いいと思うんですよ。楽しんで自己実現できる仕事についてほしいなって、求職者さんに対して本当に思いますね。

伊藤さん
会社を買収されるって、あんまりいいイメージが皆さんないと思うんですけれども、でも結局事業を進める中で一番大事なのって、仲間とか同じ志を持ったメンバーだと思うので、うちの会社だと女性が楽しく働くっていうのを本当にコミットして、みんな事業成長していって、仕事を楽しんでやってくれてるんですけれど、その理念に共感する仲間が増えるという意味で、いい選択ができたなと思いますね。

孤独になりがちな若手経営者にとって、「一緒の船に乗ってくれる仲間」を見つけることの価値を、伊藤氏は自身の経験から語る。

編集部まとめ

今回の取材で印象的だったのは、伊藤氏が「ピンチがなかった」と語るほど、事業成長そのものが最大の挑戦だったという点だ。上場企業グループへの参画も、逆境からではなく自ら選び取った決断だった。

  1. エッセンスマーケティングは、広告費に頼らないオーガニックSNS運用を強みとしている。
  2. 同社は半日体験入社を導入し、これまで短期離職者ゼロを実現している。
  3. 伊藤氏は、自社スクール「ABCマーケティング」を通じた人材育成に最も力を入れていると考えている。
  4. 同社は2026年4月、東証スタンダード上場のネオマーケティンググループに参画した。
  5. 伊藤氏は、3年後に組織の規模を現在の10倍に拡大する方針を掲げている。

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